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「おつかれSUMMER」はなぜ22年後に流行った? 一曲から二つのバズが生まれるまで

HALCALIの「おつかれSUMMER」は、2003年のアルバム曲だ。2025年春に海外で最後の30秒が使われ、レーベルが別の箇所も公式音源として用意すると、同年夏に「かまって」の部分とはつやぎのダンスが第2波を作った。最初の投稿者は特定されていない。複数の切り抜き、ファン動画、配信サービス、レーベルの対応が順に曲を運んだ。

公開
2026/09/12 14:01
読了目安
4分
最終更新
2026/09/12 14:01
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第1版

同じ曲なのに、TikTokで見ると別の流行に聞こえる。

一つは、曲の終わりに近い「もどーってこたないって」の約30秒。もう一つは、「かまって」と繰り返す箇所に合わせ、男子高校生の二人が踊る動画だ。元の曲はHALCALIの「おつかれSUMMER」。2003年に出たアルバムの収録曲である。

22年後の流行は、一人の有名投稿者に絞れない。2025年春に海外で最初の波が起き、レコード会社が別の箇所も短い公式音源として用意した。同年夏には新しいダンスとアニメのファン動画が重なり、二度目の大きな波になった。Spotifyのプレイリスト、後から作られた公式MV、HALCALI本人たちの再登場が、その波を翌年までつないだ。

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もともとはシングルでもMV曲でもなかった

「おつかれSUMMER」は、HALCALIのファーストアルバム『ハルカリベーコン』に入っている。発売日は2003年9月3日。HALCALIは、同じダンススクールへ通っていたHALCAとYUCALIが、2002年の女性ラッパー・オーディションで選ばれて生まれた二人組だ。

アルバム全体は、RIP SLYMEのRYO-ZとDJ FUMIYAによるO.T.Fがまとめた。この曲をプロデュースしたのは、FPMとしても活動する田中知之。作詞は田中、作曲は田中と熊原正幸が担当した。

当時はシングルにならず、MVも作られなかった。YUCALIは2026年の取材で、自分たちは曲が好きで、夏になるとライブの曲順へ入れていたと話している。聴くにはアルバムを買う必要があった曲が、後に定額配信で一曲ずつ見つけられるようになった。

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最初の一人は分かっていない

再生数が大きく動いたのは2025年4月下旬だった。Spotify Japanによると、それまで一日2000~3000回ほどだった再生が約15万回へ跳ね上がった。ベトナム、カザフスタン、サウジアラビアなど、複数の国のバイラルチャートへ同じ時期に入った。

ただし、「カザフスタンから始まった」と断定はできない。Billboard JAPANがLuminateの地域別データをさかのぼると、4月20日ごろにニューヨークで動き、ロサンゼルス、シカゴ、ダラス、その後にフィリピンとメキシコへ広がったように見えた。Spotifyのバイラル順位では、カザフスタンなどが早く現れた。

順位と再生数では見ているものが違う。公開資料から確定できるのは、米国、東南アジア、旧ソ連圏でほぼ同時に投稿と再生が増えたことまでだ。最初の投稿者や最初の国は特定されていない。

この時に主に使われたのが、曲末の約30秒だった。海外の利用者には、22年前のアルバム曲という知識がない場合もある。HALCAとYUCALI自身も、宣伝した覚えのない曲が海外で伸びているとレコード会社から連絡を受けて知った。

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「かまって」の切り抜きが第2波を作った

最初の波を見つけたフォーライフミュージックは、TikTokで公式曲へ結び付く音源を整えた。さらに、最初に使われた曲末とは別に、「かまって」と歌う箇所の切り抜きも加えた。

2025年7月、男子高校生デュオ「はつやぎ」が、その「かまってVer.」で創作ダンスを投稿した。同じころ、アニメ『タコピーの原罪』に登場する、しずかとまりなの映像を使った投稿も増えた。レーベルのスタッフは、この二つが重なったことを第2波のきっかけとして挙げている。

Spotifyでは7月末に一日30万回を超え、最初の波のおよそ倍まで伸びた。バイラルチャートへ入った国も、最初の9か国から37か国へ増えた。

「誰がダンスを始めたのか」には、どのダンスを指すかで答えが変わる。はつやぎは、日本で第2波を作った「かまってVer.」の踊り手として確認できる。曲末の音源、北米で広がった別の振り付け、K-POPグループの踊りと曲を合わせた編集動画には、それぞれ別の投稿者がいる。発案者は動画の型ごとに異なる。

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古い一曲から、何度も新しい入口を作れた

一曲の中で使われる箇所が変わると、動画の作り方も変わる。投稿では、曲をアニメやゲームの場面へ付ける使い方も多かった。「かまって」の箇所からは、二人で踊る短い動画が生まれた。Real SoundがTikTok投稿1542件を調べた分析では、アニメ・ゲーム系のファンコミュニティが64%を占めていた。

レコード会社と配信サービスは、投稿が増えた後に入口を足した。Spotifyは2025年5月23日、日本のポップカルチャーを海外へ紹介する「Gacha Pop」プレイリストへ曲を入れた。フォーライフは複数の切り抜き音源を用意し、同年9月には、それまで存在しなかった公式MVを公開した。2026年にはアルバムをCDとレコードで再発し、一人ずつ歌う版や二人の声が入らない版も配信した。

投稿が先に増え、レコード会社と配信サービスが後から入口を足した。偶然見つかった曲を別の動画に使い、曲名を知り、最初から聴ける経路が増えた。最初の波が終わる前に別の箇所が使われたため、同じ曲を新しい遊びとして投稿し直せた。

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バズの後、HALCALIも二人で戻った

HALCALIは活動休止を宣言していなかったが、二人でメディアに出て歌うのは14年ぶりだった。2026年には『THE FIRST TAKE』へ出演し、8月のSUMMER SONICでライブを行った。9月には新曲も発表した。

順番は、ファンの投稿、レコード会社から二人への連絡、HALCALIの再登場となる。二人は海外で増えた再生を知らされ、その反応を見て再び歌い始めた。

2026年8月までに、TikTokで同曲を使った動画の総視聴回数は100億回を超えた。これは公式MV一つの再生数ではなく、関連する投稿全体の数字である。

曲末の30秒、別に切り出された「かまって」、高校生のダンス、アニメの編集動画が、それぞれ「おつかれSUMMER」への入口になった。一つの古い曲から複数の使い方が生まれたため、2025年春の海外バズが日本へ戻り、2026年の夏まで続いた。

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出典・参考資料

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出典の扱い

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  1. 公式情報
    ハルカリベーコン

    フォーライフミュージックエンタテイメント

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  2. 公式情報
    おつかれSUMMER(作詞・作曲クレジット)

    Apple Music

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  3. 公式情報
    「かまってVer.」とはつやぎ投稿後の第2波

    フォーライフミュージックエンタテイメント

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  4. 公式情報
    おつかれSUMMER EP盤

    フォーライフミュージックエンタテイメント

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  5. 独立報道
    Spotify・Luminateデータとレーベル担当者が語る二度のバイラル

    Billboard JAPAN

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    独立報道
  6. 独立報道
    HALCALIが語る海外での再発見と14年ぶりの歌唱

    Billboard JAPAN

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    独立報道
  7. 独立報道
    TikTok投稿1542件と各国データから見た越境バイラル

    Real Sound

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    独立報道
  8. 独立報道
    レーベル担当者が語るバズの始まりとはつやぎの動画

    Musicman

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    独立報道
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